DEEPな宮古島〜まるでマチュピチュのような(?)天海山の石庭
DEEPな宮古島第3弾では、宮古島の隠れ名所である天海山の石庭を紹介します。
例によって、夫の叔母からのおススメです。
叔母から「石庭に興味ある?」と聞かれ、まず想像したのは枯山水です。
ですが、今回の石庭は枯山水とはまったく別のもの。
叔母いわく、マチュピチュみたいなものよ、と。
枯山水でなくとも、マチュピチュならぜひとも行ってみたいと即答しました。
天海山の石庭って?
宮古島の天海山石庭とは…
山の管理人であるシゲルさんが15年以上の年月をかけ、すべて手作業で作り上げた山頂の庭園です。
山の上を切り開いて石を積み重ねてできた庭園という意味では、宮古島のマチュピチュと読んでも差し支えないかと思います。
天海山の入り口と入山の儀式
当日はあいにくのにわか雨。
しかも、登山時はかなりの土砂降り。
写真が暗いかも知れません。
入り口と言っても、目印になるのは山へ入っていく石段と両側に小高く積まれた門状の石くらいです。 では早速、天海山石庭へ出発します!
玄関口はふだん閉じられています。
入山予約をすると、管理人のシゲルさんが玄関を開けてくれます。
玄関脇には「身勝手に入るな。不法にはい入る者にわ 警察をよびます(原文まま)」と書かれています。
玄関を入ると、銅鑼があります。
天海山への入山の報告儀式用でしょう。
まずシゲルさんが銅鑼をつき、希望者がいれば銅鑼を鳴らすよう言われます。
せっかくなので私、夫、友人の三人とも銅鑼を鳴らしました。
写真左上に写っている仙人風の風貌の男性が管理人のシゲルさんです。
銅鑼の左奥にある石段を登って、山頂にある石庭へ向かいます。
途中まで登ったところで、後ろを振り返って写真を撮りました。
(写真手前が上)
割と傾斜があります。
天海山石庭と石庭から見える宮古島の風景
写真上部に見える濃い緑のジャングルが入山した方角になります。
石庭にある石はすべてシゲルさんが人力で運び上げて、並べたものです。
石に囲まれた通路の芝生もシゲルさんが植えています。
山頂から見た、石庭全体の様子。
天候が悪く分かりにくいですが、写真右手が海です。
大小様々の奇岩を並べたり積んだりしています。
私は三国志に出てくる魚腹浦での石兵八陣を思い浮かべました。
天然の石だけでなく、宮古島の植生や漂着物なども上手く利用し、独特なセンスで石庭を作っています。
芝生は見た目よりフカフカで歩くのが申し訳ないほど。
天海山頂上の最奥にある小屋から見た石庭です。
まるでマチュピチュのようですね!
石庭の中央には手作りのテーブルとベンチが並び、バーベキューもできるようになっています。
写真左上の最奥に見えるのが石庭から下界を見下ろせる小屋です。
天海山山頂からのパノラマ写真です。
(270度くらいしか撮れていませんが)
山頂にある高台では望遠鏡を借りて宮古島の景色を堪能しました。
50年前の自衛隊のものだという重くて大きな望遠鏡ですが、大神島や伊良部大橋などいろいろ見ることができました。
小屋のように見えますが、これらはシゲルさんのインスピレーションによる工夫です。
段差や台を作り、後述する写真撮影などに活かしています。
石庭ならではの遊び心満載のおもてなし
天海山からは宮古島とその周りの海の景色を丸ごと堪能できます。
でも、それだけではありません!
管理人のシゲルさんは、石庭ならではのいくつもの遊びやおもてなしの道具も自作しています。
まずはお手製楽器です。
海への漂着物を利用して作られています!
天海山石庭にはあちこちに楽器が設置されています。
石庭を見下ろす小屋にも楽器があります。
横向きの黒いパイプは打楽器です。
筒の端っこを漂着物のゴム製サンダルで叩いて演奏します。
パイプを抑える位置や叩き方などを替えることで、音色が変わります。
見た目よりかなり楽器らしい楽器です。
シゲルさんが演奏するとかなり本格的です。
奥へ下りているパイプは、ストレス発散用マイク(?)です。
定番のヤッホー以外に、個人的なの不満から社会悪への憤りなども大声で叫ぶことができます(笑)
それから写真撮影もあります。
浮世離れした風貌のシゲルさんですが、石庭での遊びはインスタ映えする現代的なもの。
以下の写真はすべて、ポーズから撮影位置まで指定されています。
シゲルさんからの指示は腕組みをして、あぐらのような格好でジャンプせよとのこと。
友人はあぐらというより正座に近い格好ですが、これはこれで却って浮遊感が増したような気がします。
こちらもシゲルさんの指示通りに、妖怪になりきって写した写真です。
妖怪感は出てますでしょうか?
昭和なら心霊写真コーナーに投稿できたかも知れませんね。
こちらは何の写真だったか失念しました…
見た感じは、天上天下唯我独尊みたいなポーズですね。
私も高台で足を水平に上げる白鳥のようなポーズを指示されたのですが、高所恐怖症なので断念しました。
手前の人は台に乗り、遠近法と併せて巨人と小人を演出します。
山頂で向き合ってジャンプする…はずの写真です。
言い訳をすると、下の芝生が本当にフカフカでジャンプがしにくいんです。
夫とのタイミングは合いませんでしたが、これだけ飛べたのは私としては大満足でした!
石庭でハイジみたいな空中ブランコ
最後に、メインイベント(?)のブランコも紹介しておきます。
このブランコももちろん、シゲルさんの手作りです。
1人10回ずつ押してもらえます。
前方には海が広がり、開放的で乗り心地は最高です。
シゲルさんはパワフルなので、しっかり縄につかまっていないと危険です。
最後は三人並んで天海山石庭の記念撮影です。
写真上部には宮古島の海が広がっています。
海の真ん中辺りに、中国からの超大型観光フェリーが浮かんでいるのが小さく写ってます。
ちょうど中国からの爆買い客が増えていた頃でした。
天海山石庭ってどうやってできたの?
宮古島の天海山石庭は、15年以上の年月をかけ山の管理人であるシゲルさんがすべて手作業で作り上げました。
ヤシガニの罠を仕掛けようと山へ入り、ふと開けた場所に出たとき、そこから宮古島を一望できることに気づき、石庭を作ることにしたそうです。
それから役所など各方面での手続きを済ませ、木を切り開いて石を運んで階段を作り、巨岩奇岩や砂を背負っては頂上まで往復して運び、芝生を植えて手入れをして、漂着物でもてなしや遊びの道具を作り続けています。
すべては管理人であるシゲルさんのひらめきからできています。
なので、石庭の様相は日々変わり続けています。
もちろん、季節によっても種類の違った草や花が見られるでしょう。
この体験が想像より面白かった理由のひとつに、シゲルさんのトークがあります。
一見とっつきにくい雰囲気ですが、実はかなりのマシンガントークで面白いネタも持っています。
機会があれば、ぜひ宮古島の天海山石庭にも足を運んでみて下さい。
宮古島住みの知り合いがいれば、聞いてみて下さい。
天海山は、宮古島の北部・大浦地区にあります。
ただし、宮古島の地図上に「天海山」と言う名前で該当する場所はありません。
宮古島北部の83号線が大きくカーブする辺りで地図を大きくしてみると、分かりやすいと思います。
肝心の天海山石庭の予約についてですが、管理人のシゲルさんに電話するしか方法がありません。
Webサイトなどに電話番号を載せてしまうと、自由時間がなくなるとのことで、現状、連絡してきた人しか案内してないそうです。
(シゲルさんは天海山の管理人が本業ではなく、ふだんは農業をしながら暇があれば海に潜りタコを獲ったりしているそうです)
宮古島に知人のいない人にとって天海山の予約はハードルが高いかも知れません。
◎ 入山料が、1人につき500円かかります(2018年12月現在)。