DEEPな宮古島〜「石灰華段」と石灰華段への険しい道のり

宮古島の石灰華段とは?
宮古島の婆ちゃんの家に到着するやいなや、夫の叔母が「ティタガーへ行ってみない?」と言われたところから話は始まります。
ティタガーと言われても何のことか分かりませんでした。
ティタガーとは、石灰華段のことだそうです。
ただ「せっかいかだん」と耳で聞いただけでは、よく分かりません。
「?」が消えない私たちに叔母は「世界遺産の九寨溝の小さい版みたいなもの」と教えてくれました。
※詳しくは【国指定:天然記念物(地質)】宮古島保良の石灰華段丘~みやこじまぼらのせっかいかだんきゅう~
※すでにページが消えていますが、2009年8月14日の琉球新報『「石灰華段」を県内初確認 宮古島市・保良の海岸』という記事があったので、割と最近になって見つかった場所のようです。
しかし、私は「世界遺産の九寨溝のミニチュア版か〜行ってみたい!」という気持ちにはなりません。
なぜなら、この叔母はものすごく冒険好きな人だから。
案の定、石灰華段まで行くにはロープで崖を上り下りするとのこと。
私が車の中で待っていると言うと「怖くて車の中で待てないんじゃないか?」と心配されました。
みんなと一緒に行った方がいい、と。
そんな大自然の中へ分け進むくらいなら、どんなに心細くても車で待つと同行を断りました。
なんやかんやで最終的に「車で待つのは無理だろうから、留守番しててね」と言われ、ようやくひと安心。
と言う訳で…
私はお留守番になります。
このページの石灰華段関連の写真と冒険譚については、夫と友人の提供です(笑)
石灰華団への険しい道のり
わざわざタイトルに石灰華団への険しい道のりと付けたように、石灰華段へはたどり着くのが大変です。
東平安名崎の付け根あたりで、道無き道、茂みの中を入っていくそうです。
当然、目安になるような住所もないし、地図上にも道がないので地図も当てになりません。
『太陽泉探訪-ティダガー石灰華段-』の最下部に地図と緯度・経度が載っているので、興味のある方は参考にして下さい。
駐車場だと指示されて車を止めたところは、単に木々が倒れているだけだったと言います。
(戻ってきた車のタイヤは泥だらけ)
正に、ジャングルです。
宮古島によくいる黒いアゲハっぽい蝶々がたくさんいて、車のドアを開けると、無数の虫がバタバタと羽ばたいて真っ黒&真っ暗になったと言ってました。
100匹 1,000匹というレベルでなく、虫のカーテン状態だったとか。
(私なら失神して泡吹いてます)
虫嫌いでなければ行けるのでは? と思いそうですが、ジャングルはまだ続きます。
目的の石灰華段へ行くには、急勾配な崖を降りなければならないのです。
細いロープ1本だけで自重を崖下へ下ろします。
(私、ふつうに無理です…)
上下が分かりにくいですが、写真の上部が崖の上になります。
真ん中を縦断する細いロープを使って、崖の上り下りをします。
石灰華段へ向かう崖の急勾配っぷりがお分かりいただけるでしょうか。
実際には写真の数倍は迫力もあり、急な坂だと思います。
崖と言っても、地肌丸出しの崖ではなく、完全にジャングルの中にある崖です。
ロープが通ってるところ以外は上下左右とも木々に覆われています。
写真には写っていませんが、崖も虫だらけで、この細いロープにさえイナゴがいて、潰したくないからそこを避けて握ったりしたそうです。
ちなみに、行きも帰りもこの崖を使う以外に石灰華段への道はありません。
下りは良くても、帰りもロープ1本で崖を上らないと帰れません。

一見すると、ただ宮古島の大自然を写した1枚の写真。
実は、この写真はとっても重要な写真なんです。
一体、何が重要か?
それは…帰り道の目印だからです。
写真中央の少し上に、背の低い2本の松が並んでいます。
この二本松の下に、ロープを張った崖の入口がある、という目印なんです。
帰りの目印パート2もあります。
先ほどの二本松の下、石灰華段への道(=崖)の入口として写した写真です。
森の中央部にある真っ黒い部分が崖への入口だ、とのことですが…

分かりにくいので、入口部分をオレンジ色で囲みました。
二本松の写真と合わせて、帰り道の目印になります。
こういう写真を撮りながらでないとたどり着けない(帰れない)場所です。
石灰華段の入り口

ジャングルを通り、ロープで崖を下り、帰り道の目印も確保したところで、目の前には海が広がり石灰華段に近づいてきました。
写真の両端を見ると、何となくそんな雰囲気の地形が見えます。
いよいよ石灰華段へ向かいます。

視界が開けても、まだ安心は禁物です。
石灰華段への道は、岩場が続きます。


満ち潮の為(?)か、海が高くて通れなくなっていました。
写真の左の青い曲線側から、青の直線側へ渡らないと石灰華段までは行かれません。
険しい岩場を通ってきたのですが、ここで海を渡れずに石灰華段は断念。
この後戻ってきた夫と友人は、汗ビッショリ!!
まるでスコールでも浴びたかのように、Tシャツが重く濡れていました。
夫と友人はみっちり筋肉痛になりました。
石灰華段そばの洞窟でも
残念ながら、石灰華段へはたどり着けませんでしたが…
その途中にあるという洞窟を探検してきたそうなので、写真を載せます。

悪魔の城の入口と言われたら信じるレベルのおどろおどろしさ。
写真だけでも充分怖いです。

冒険好きな叔母はこういうのを見ると、つい行ってみたくなるようですね。
一歩足を踏み入れたら、コウモリの大群がばさばさと出てきそうな雰囲気です。

写真は明るく見えますが、夫がフラッシュ撮影をしただけで、実際の洞窟内部は真っ暗で何も見えなかったみたいです。
ですが、これといって何もなかったようで。
写真だけで振り返っても、私は絶対に行きたくないですね。
蝶々と虫のカーテンだけでもショック死しそうです。
心の底から行かなくて良かった…
今回はDEEP過ぎて、一般受けはしないであろう宮古島の隠れ名所「石灰華段」と石灰華段への過酷な道のりを紹介しました。
ふつうの観光で行ったのでは、なかなかたどり着けないと思います。
興味を持った人は…どうすればいいんでしょうね?(笑)
宮古島市 体験工芸村
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